看護師免許を取得した理由は、なかなか現実的で、そして個人の性質を考えた結果でもあった。
私は昔から一つのことに集中するのが苦手な性格で飽き性のため、将来は仕事も長続きしないのではないかという不安が常にあった。
そんな私の懸念を気にかけた母が、適した職種として勧めてきたのが看護師の道だった。
母が言ってきたのは、「とにかく手に職をつけなさい」というシンプルなものだった。
看護師は専門職であり、どこへ行っても仕事がある。
例え飽き性の私が一つの病院に長く勤められなかったとしても、手に職さえあれば生活に困ることはないだろうという、母なりの心配と現実的なアドバイスだったのだ。
私はこの母の勧めを素直に受け入れ、看護学校に入学したのだった。
そして、看護の道を志したもう一つの理由は人生の保険という意識だった。
ここでいう保険とは、将来に対する安心のことだ。
看護師免許は、一度取ってしまえば一生ものであり、収入や雇用の安定も期待できる。
もし結婚して家庭に入ることがあっても、保険としていつでも復帰できる資格を持っておけば、パートナーとの離別を極度に恐れる必要がなくなる。
それは精神的な制限を強いられないということであり、人生を自由にコントロールするためには不可欠な要素と考えたのだ。
実際に働いてみて、その安定性の恩恵を日々感じている。
飽き性の私らしく、場所を転々とはしているが、安定して看護師を続けられているからだ。
今、あのときの母の勧めと、将来への保険という考えは間違っていなかったと思っている。
同時に、看護師への道のきっかけをくれた母には本当に感謝している。